2010年11月30日9:38 AM

先日、ある取材に同席しました。
その方のお話しは本物感に満ち溢れ、聞いているこちらが引き込まれるような話題ばかりでした。

さてさて、その取材の10日ほどあと・・・

取材に同席した関係者が顔を合わせた際に、その中の一人から何気ない質問がありました。
「あのときの3番目の回答ってなんでしたっけ?この間から考えているんだけどどうしても思い出せなくて」
実は件の取材の中に、「あなたにとってxxxについての大きな出来事を3つ教えて下さい」という質問があったのです。皆であーでもないこーでもないとひとしきり唸っていたのですが、不思議な事にどうしても3番目がでてきません。1番目と2番目はみんな鮮明に覚えていました。細かい所までちゃんと覚えています。しかしなぜか3番目だけが出てこないのです。三人が三人とも・・・

翌日、メモを取っていた一人から3番目の答えがメールで飛んできました。言われてみれば「あ?あ?、そうそう」という中身。皆が忘れてしまったり思いつかなかったりするような突飛なことではありませんでした。

では、なぜこの部分だけ三人揃って忘れていたのでしょうか。

実はこの思い出せなかった答えには、お話しされた方のほんの少しの「自慢」が入っていたのです。聞いていても気が付かないほどの小さな自慢です。

考えさせられる出来事でした

広報という仕事柄、数多の取材に同席してきました。思い返すと取材を受けた人が「自慢話」をした取材は、記者に反感を買ったり、しらけた雰囲気になったり、取材の主旨から外れていったり、ことごとく「失敗」した記憶ばかりです。

しかし「記憶に残らない」という経験は初めてでした。

我々広報に携わる人間は取材対象者に、「専門用語は使わずに分かりやすく話しましょう」とか「先に結論から言いましょう」とか「熱意を持って話しましょう」など、取材が上手くいくようにアドバイスをする事も少なくありません。確かにどれも大事なことなのですが、今回あらためて一番大切な事を思い知らされた気がします。

「自慢話は記憶に残らない」

これは何も取材に限った話しではないですね。どちらかというと普段の何気ない会話の方が気を付けなければいけないこと。
かく言う私も全くもって他人事ではありません。特にアルコールなんかが入ってしまうと・・・。

気をつけようと強く心に念じた出来事でした。

 

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1件のコメント

  1. 目黒広報研究所 » Blog Archive » 「自慢」と「おかげ」に関する考察 says:

    [...] 前回の投稿をきっかけに「自慢」についてちょっと考えてみました。 なぜ自慢話は記憶に残らない、さらに言えば、聞いていて気分が悪いのでしょうか? [...]